【コトバンク 世界大百科事典第2版】
うしるい【牛類】
河川における水制の一種。日本独特のもので,その起源は奈良時代にさかのぼることができる。基本的には,杭状の部材を三角錐あるいは方錐体状に組んだもので,その形があたかも2本の角をもっているように見えることからこの名がある。牛枠,聖牛(せいぎゆう)(ひじりうしとも),猪子(いのこ)など多数の種類がある(図)。河床が砂利や石などから成り,杭などを打ち込むことがむずかしい扇状地河川に主として設置され,流されるのを防ぐため,竹や鉄線で細長く編んだ籠に石をつめたもの(蛇籠という)などを重石として用いる。