仙台叢書 のうじん・・・436P
比浦柵迹。都鳥村。
往昔安倍頼時が。六男比浦六郎家任。所住。所在の節築き構へたる館なり。世人都鳥館と云。故に都鳥六郎とも云り。前九年の合戦に敗北して。源家へ降参すると在り。此六郎を白鳥六郎と覚えたる人あり。白鳥館の領主比與鳥七郎則任を。白鳥七郎と云り。則ち家任が舎弟なり。此柵敗滅の後。・・・
仙台叢書 のうじん・・・439P 【家任伝える】
別山。狐が石塔。上門岡村。
前九年の戦に。衣川の柵破れて貞任家任兄弟は。討残されたる士卒とい共に。厨川柵に入らんと。此所まで逃来るに。官軍の大勢背後より襲掛る。家任伝えらく。當家の滅亡今日に忽る。某敵中に切入りと討死すべし。其間に兄上は厨川の柵に入り。後の戦を催し給へと教訓す。貞任家任泣々東西へ別れしとなん。家任敵中へ切入りたる所なり。仍て後来別山の名を残すと云り。又此所の畑中に。五輪の石塔一基あり。是を狐が石塔と云昔松洞庵と云律寺あり。