古代の蝦夷(えみし)の人名、特に女性の名前を知りたい。蝦夷の男性の名前は「アテルイ」や「モレ」、「あ... | レファレンス協同データベース
資料1(pp.152-154)に、「(前略)政府側が蝦夷の族長層に対して位階や君(七五九<天平宝字三>年以後は公の文字を用いる)のカバネ(姓)を与え、族長層を政府側の秩序のなかにとり込み、族長層を通して蝦夷の世界に勢力をのばす政策をとっていたのである。(中略)君(公)姓を有する人物は、具体的には地名+公+個人名の形をとる。(後略)」とあります。
古代蝦夷の人名が確認できるものは下記のとおりですが、君(公)姓を有する人物を含みます。また、各個人名とアイヌ語との関連性は調査しておりません。
資料1(pp.154-155)より
・邑良志部君宇蘇弥奈(おらしべのきみ うそみな)(香河村)
・須賀君古麻比留(すがのきみ こまひる)(閇村)
・遠田君雄人(とおだのきみ おひと)(田夷・遠田郡)
・和賀君計安塁(わがのきみ けあるい)(帰服の狄・和賀地方の族長)
・伊治公呰麻呂(これはりのきみ あざまろ)(上治郡大領・下従七位上)
・大墓公阿弖流為(おおはかのきみ あてるい)(胆沢の夷)
・磐具公母礼(いわぐのきみ もれ)(胆沢の夷)
・胆沢公阿奴志己(いさわのきみ あぬしき)(斯波村)
同資料(p.170)より
・吉弥候部於夜志閇(きみこべの おやしべ) ※俘囚(政府側についている蝦夷のこと)
・吉弥候部都留岐(きみこべの つるき)(邑良志部村の族長)
・伊加古(いかこ)(爾薩体村の夷)
資料2(p.137)より
・伊佐西古(いさせこ)
・諸絞(もろくり)
・八十嶋(やそしま)
・乙代(おとしろ)
同資料(p.170)より ※資料3(p.38)にも掲載あり
・爾散南公阿波蘇(にさなんのきみ あわそ)
・宇漢米公隠賀(うかんめのきみ お(ん)が)
・吉弥候部荒嶋(きみこべの あらしま) ※俘囚
資料3(p.80)より
・大伴部阿弖良(おおともべの あてら) ※俘囚
同資料(p.231)より
・吉弥候部黒田(きみこべの くろだ) ※俘囚
・吉弥候部田苅女(きみこべの たかりめ) ※吉弥候部黒田の妻
・吉弥候部都保呂(きみこべの つほろ) ※俘囚
・吉弥候部留志女(きみこべの るしめ) ※吉弥候部都保呂の妻
同資料(p.306)より
・浦田臣史?儺(うらたのおみ しこな)